ばあちゃんの気持ち④
りつこが呼んだのか、
次女もはるばる東京から帰ってきた。
何だか、私の余命がない位の対応だわ。
あれは、痔、や、て言うのに、
病院連れて来られた。
「いいですか、おばあちゃん、
手術をどうしてもしないと、
おばあちゃんのお腹が破裂します」
って、この医者の言う事くらいわかるって!
婆さん扱いしてさ。
私を誰だと思ってんの?
そんな学びくらい、しとるって!
ここまで生きてきたのに、
人工肛門とは、
情けない。
明日は手術やわ
「おおばあちゃん!おおばあちゃん!」
この若い娘さんと、男の子たちは、
どこの子たちだろう。
なんで私の手足を抑えて叫んでんだろ。
私を騙しつけて、病院に貼り付けて、
こいつらは、絶対ぐるやな、
私の財産ねらいか、
私にだって子供たちはいるんだ。
次女は、若い時に東京へ行って、
なかなか帰って来ない。
ここは一体どこなんだろう、
病院か?
何で病院に入れられたんだろ。
誰かの差し金か、
早く私を家に帰して欲しい。
だれに訴えたら帰れるのか、
また、男の人も来た。
ざわざわうるさい。
「かあさん」
「ばあちゃん」
って、誰ですか?
あなたたち...